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まろやか日記
最近はこちらが更新多め。
幸せになるためのメソッドを紹介しつつ好き勝手に楽しく書いてます。(一応モバイル向け)

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日記ばかりだなぁ。
ネタ書かないでごめんなさいだなぁと思いました。うーん、なんとかこの状況を打開したいですね。
せめて来てくれているお客さんに報いたいと思うのがサイト管理人なわけで。
どうしたらいいのかしら。
何かいい案がありましたら是非お願いします。

MOREにちょこっとSSSぐらいの(すーぱーしょーとしょーと的な)書いてもいいかな、とはおもうんだけど、いかんせんこれブログだから、名前変換もないし・・・、ってそれは今更か。(苦笑)

ともかくご意見お待ちしております。
何もお声がなければSSSの方向で。
まあ放置して日記だけになる可能性もいなめませんが。

今日まで友人が遊びに来ておりました。
今日は帰ったら友人が残していった味噌スープが待っております。
朝ご飯も自分が作らなくてよかったのでたいへん楽でした。
ありがとう友人Kよ。ホント、気の置けない子は楽だし楽しいですね。
好いことづくしです。

そうは言っても私は学校の発表が明後日に控えているので万々歳とはいいきれんのですが。
むしろ今の心理状態はバッドな感じです。
終わらないかなぁ。明日ホントに印刷なんかできるんかしら。

集めた資料が雑多なせいかどうも旨い具合に分類ができないんですね。
今日はもうちょっとがんばって帰ります。とりあえず本を一冊読み終わらねば。

じゃあとりあえずテストと言うことで小話をMOREに入れておきますねー。








* 一人静 *


教えられたのは、確か伯父からであった。
武士の子ゆえと、せめてそれくらいはと、そう思ったのだろうか。

腰を据えて、足を踏み出す。
意識するのは、女。

ことさらゆっくりと、慎重に、尖らずに、流れるように。

右手の扇をゆっくりとくゆらせて、乗せる声は、いつもよりも、少しだけ、高く。
誰にも聞かせることのない、地の声で、謡う。
そうでなければ謡えないのではなく、この場に誰もいないと分かっている故だ。

腕を開き、型をつくる。
地謡は、すべて自分の声。

かつては、伯父か、それとも伯母か。
もしかしたら、妹であったかもしれない。
彼らが、謡ってくれた。
だが今は、遠い京の地で。
誰一人、ここにはいない。

それを悲しいとは思わないけれど。
ただ一人で、ここに来ることを選んだのは他ならぬ自分だから。

無心で舞えば、心が落ち着くと知ったのは最近だ。
古本屋を物色していたら、古い謡の本を見付けて、思わず手が伸びた。
雀百まで、とはよく言ったもので、それから暫くして土方に庵を借りた時に、誰にも内証でその謡の本に入っていた舞を二三舞った。
まさに、踊り忘れず、とはこのことだ、と苦笑した。
それから、自分で謡い、自分で舞うということが、案外と楽であり、逆に楽しくさえなった。
だから、こうして偶に、土方の庵を使って一人舞っている。

無心でいたかったのだろう。
たまたま、数日前の斬り合いで殺した相手が、かつての仲間だったという、その事実を、早く忘れたかっただけだ。



ひたり、と足が止まる。

「よお」

戸口に居たのは、この庵の主。
にやり、と笑ったその風体に、思わず扇を投げつけてやりたくなる。
読めぬ自分も未熟だが、何も気配を消して入ってこずともよかろうに。

「近頃どこに行くともわからねぇ、なんて斎籐が言ってやがるからどうしたもんかと思っていたが」
「それは、どうも悪う御座いました」

扇を降ろして、体の中にあった空気を解放する。
しゃべれば、何時も使っている「男」の声が出た。
当たり前だ。
既にこちらが自然で、あちらの声は意識せねば出なくなった。
土方は変わらず楽しげに笑っている。

「お楽しみの所、邪魔したな」

そんなこと微塵も思っていないくせに、よく言う、と思う。

「なにか、用ですか」
「俺の庵に俺が来るのに用が要るか」
「わざわざ、気配を消していた人がよく言う」

わざとらしくため息をついてやれば、ちげぇねえ、と彼は笑った。

「近藤さんが土産に酒をもってけとさ」

美味いらしいぜ、と持ってきたらしいその瓶を持ち上げて目の前にとぽりと置いた。
良い音がする。
どうやら、本当に美味い酒のようだ。
もっとも、この男が自分で買ってきた物だろうけれど。

理由は、分かりすぎるほど分かっていて。
でもそれを言ってしまえば、この柔らかな空気は壊れてしまうから。
お互いが分かっていればそれでいいのだ、とでも言うように、口元に笑みを掃く。

「しかたないな」

一人よりも、二人の方がよほどいいんだろう。
喜ぶのも、悲しむのさえも。

ぱたり、と扇を閉じて、箪笥の中にしまう。
舞うのは、恐らくやめられぬけれど。
今は、それよりもかのぬくもりで。
by tamayura-fugetu | 2007-05-14 20:54 | 日記
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